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目次
本を書く時の、作家の思考
どのような思考で、作家が物語を紡いでいるか気にならないだろうか?
「気にならない」
そう答える人の方が多いと思う。
作家の思考なぞ、物語を純粋に楽しむのに不必要な要素だから。
しかし、私は考えてみることにした。
なぜか?
たぶん暇だったからじゃないかな……
プロット
作家の多くがプロットと呼ばれるものを考える。
簡単にいえば、プロットとは、あらすじ。
ある意味当然といえば、当然。
話の流れを全く考えずに物語を書くのは難しい。
※アニメ化した『これはゾンビですか』という作品の作家は。
一巻のあとがきで、プロットを考えずに作品を書いたという旨を記している。
たしかに、プロットなしの勢いで書いているといわれても納得する作品だった。
そして、プロットを考えないのは作家の中でも少数派だろう。
本一冊分とは
作家が物語を書くときに、あらすじを立てるというのは、不思議なことはないだろう。
ここで考えてたいのは、
本一冊当たり、作家は、どのぐらいの場面に分けて考えているのか?
という問題だ。
特に、長編の場合を考えたい。
まず、本一冊分の分量は、個体差はあるが、ざっくり10万文字とされる。
そして、本一冊あたりの場面は40前後。
一場面あたりの文字数は2000~3000文字といったところだろう。
本一冊あたりの40場面になるという根拠の一つは、
今、私の手元に西尾維新(著)の『恋物語』。
(化物語のシリーズの一つ。アニメ化したことで、知っている人も多いと思う)
『恋物語』には、場面転換する際、はっきりと番号をふっている。
そしてその数は39。およそ40。
これだけだと、説得力がないと思うので、他の作品をプロットレベルに分解して、場面の数をカウントしてみた。
その結果、私見だが、だいたい40前後に収まることが多いとわかった。
(中には、一場面がやたらと長い場合や、場面の切り替わりがわからづらい作品もあった。)
では、作家は書き始める前から40近くの場面をあらかじめ想定しているかというと、答えはNOだろう。
これは、想像になるが、最初はそこまでしっかりと場面分けしていない。
最初にある程度適当な場面分けをして書き始めるが、新たに場面が必要であることに気づき、結果的に40ほどの場面に落ち着くのだろう。
キャラクターの数
本を書く場合、本種類(軍記、推理……)にもよるが、出てくるキャラクターは10人前後に落ち着く。
究極的に言えば、主人公一人で物語はできないこともない。
しかし、多くに作品では、最低でも
主人公、ヒロイン、敵の三人は欲しい。
推理小説なら、
探偵(ホームズ役)、助手(ワトソン役)、犯人の三役はほぼ必須。
簡単に言えば、主人公を立てて、味方がいて、敵がいる。これで三人。
でも、これだけだと物語として寂しい。
推理小説で探偵、助手、犯人の三人だとさすがに読者に犯人がもろばれする。
だから、ミスリードさせるための犯人候補や、助手と探偵だけだと会話の幅が広がりづらいので、警官などを味方サイドとして増やす。
推理小説以外でも同じように、味方サイドと敵サイドを増やしていく。
敵も一人だけだと色々な意味でしょっぱいので、中ボス的な存在をよく付け加えられる。
(魔王も四天王がいないと、少し寂しくは思わないだろうか?)
キャラクターを大きく分けると、
活発に動きまわる、メインキャラと
主人公にちょいっとアドバイスするようなサブキャラに分けられる。
メインキャラとサブキャラの区別の基準というのは、人によって異なるかもしれない。私自身の意見では、キャラ同士の会話の際に、単純なマニュアルに従ったような対応をするかそうでないかの違いだと考えている。
色々な小説を読んだ経験から、
メインキャラのみカウントすると5以上だが10には届かないことが多い。
サブキャラを加えて、10前後になるというのが本一冊の分量のイメージ。
※私の知る最も、一冊あたりのキャラ数が多かった作品は、
『二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない』 (集英社スーパーダッシュ文庫)
生徒の数は35人。サブのキャラクターをカウントしたらさらに増えると思う。
小説というよりパズルに近い作品。キャラのあだ名と本名を一致させるパズルゲーム。
まとめ
本一冊、40シーン、10キャラ
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