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目次
「マクガフィン」とは
マクガフィンとは、物語を動かす一要素ではあるが、別のものに代替可能なもの。
例えば、ルパンシリーズは、大泥棒であるルパン三世が、様々な財宝を盗み出す話である。この財宝は、金塊でも宝石でも美術品でも古書であっても、物語に支障はでない。財宝が金塊じゃないといけないといった特別な理由はない。そういう意味でこれはマクガフィンといえる。
ここで、「価値のあるもの」であれば何度も入れられる箱のようなもの想像してください。この箱に当てはまるものであれば、中身はなんでもよい。
ルパンシリーズにおいて、箱は、「価値あるもの」。中身は、金塊、宝石、美術品、古書などに相当。
箱:「価値のあるもの」
中身:金塊、宝石、美術品、古書
「マクガフィン」の具体例
『バカとテストと召喚獣』
バカテス2期の3話(アニメ)
(キーアイテムの種類という記事でも同じ例を取り扱っている)
話のあらすじ……
主人公が女の子のために、ぬいぐるみを手に入れようとする話。ぬいぐるみを買うためのお金が足りず、没収されたゲーム機を売り払いお金にしようと主人公は画策する。没収されたゲーム機を奪還するために、先生(鉄人)から鍵を奪おうとする。物語のオチとしては、ゲーム機と一緒に、鉄人の古本を売ったことがばれる。
「でてくるアイテム一覧」
ぬいぐるみ、没収されたゲーム機、鍵、古本
箱:「ヒロインが欲しがるもの」
中身:ぬいぐるみ
(ブレスレットや、指輪など、ヒロインが欲しがるものであれば代替可能)
箱:「金的に価値のあるもの」
中身:ゲーム機
(フィギュアなど、金的な価値があれば代替可能)
箱:「封じる機能のあるもの」
中身:鍵
(暗唱番号などで代替可能。ただ、封じる機能のあるものは鍵以外あまり世の中的に存在しない。暗唱番号も一種の鍵といえば、鍵ではあるといえるので、この状況で、鍵をマクガフィンというのは少し無理があるかも)
箱:「先生(鉄人)にとって価値のあるもの」
中身:古本
(写真集など。先生にとって価値のあるものであれば、代替可能)
マクガフィンの中身がはっきりしない例
『ワンピース』のひとつなぎの大秘宝
箱:「多くの海賊が求める価値ある財宝」
中身:不明(名前:ひとつなぎの大秘宝)
ひとつなぎの大秘宝は、財宝の中身がわかっていない。それでも、みんなが求めているものであれば、中身がよく分かっていなくても、物語として問題ない。
私が「マクガフィン」という概念をしたきっかけとなったのは、『サクラダリセット』という物語。この物語では、「マクガフィン」というアイテムがキーとなっているが、物語の中で、その効果の程はよくわかっていない。
『サクラダリセット』
箱:管理局を倒すためのアイテム
中身:不明(「マクガフィン」という名の黒い石のような物体)
マクガフィンとなりうるアイテム
マクガフィンとなりやすい、あるいはみなして考えてもいいアイテムにはいくつか特徴がある。
特別な機能や効果は持たない
特別な機能持つアイテムは、代替しづらい。例えば、相手の強さを読み取る『ドラゴンボール』のスカウターを別のモノ変えることは難しい。
スカウターの形状が、目に着ける形である必要性はないという指摘はありうる。確かに、スカウターがペンダント型でも物語として支障はないはず。だが、変更できるのは外見的な部分のみで実質的な部分は変更できない。
手に入れたいと思うアイテム
(価値のあるアイテム)
みんなにとって価値のあるアイテム(ルパンの狙う財宝など)。あるいは、誰かにとって価値のあるアイテム(ヒロインが欲しがったアクセサリーなど)。このようなアイテムは、物語的には、手に入れるまでの過程が大事で、手に入れた後のことにはそんなに興味がないことが多い。
ルパンが財宝を手に入れるまでの過程は長々と語られるが、その財宝を手にした後、財宝をどう使ったかは、ほぼ語られない。このように、「手に入れる」ことが物語の焦点となっているタイプのキーアイテムは、代替可能であることが多い。
関連記事
キーアイテムの種類という記事で、キーアイテムの種類を分類して考えたことがある。
以下まとめの部分を抜粋
目的型キーアイテム:アイテムを「手に入れるまで」のことに焦点が向いている
問題解決型キーアイテム:アイテムを「手に入れた後の」ことに焦点が向いている
機能型キーアイテム:アイテムを「使う」ことに焦点が向いている
証明用キーアイテム:アイテムを「持っている」ことに焦点が向いている
マクガフィンという用語は、おそらく「手に入れる」ことを指向しているタイプのキーアイテムを手軽に表現するために生み出された言葉なんじゃないかと思われる。そういう意味で、「機能型キーアイテム」の要素を含まない「目的型キーアイテム」や「問題解決型キーアイテム」がマクガフィンとみなしやすい。
まとめ
- マクガフィンとは、物語を動かす要素ではあるが、その具体的な中身は替えが効く
- 物語のキャラが「手に入れる」ことを目標としているモノで、特別な機能を持たないモノは、マクガフィンとみなして問題ないことが多い。
外部記事
マクガフィンを「作中の必然性」と「作者の必然性」で分類している記事。私の記事とは違った観点で、「マクガフィン」という概念を説明している。
「マクガフィン」という言葉に対するとらえ方が、私と微妙に差がある。
私は「マクガフィン」という概念をモノに限定している。一方、この記事では、カフカの虫を例に出している点で、「マクガフィン」という概念をもう少し広い範囲で捉えていることがうかがえる。
(以下外部の記事に飛びます)
「マクガフィン」という概念について
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